京都

伝統を紡ぐ言葉。

京都に来て3年が経つ。 千年王都の魅力に引かれ、また京都に籠もることで見出し得るものもあろうという思いから、3年が経った。 「京都は京都だ」という認識を持つにはまだまだ、浅いが、深めることを恐れるようになった。 特に空気の張り詰め始める秋から冬…

来てたの?

そう言って、僕は出来た笑顔で出迎える。 あなたはその言葉を聞いて少し不満気。それに気づいて気づかない振りして、話を戻した。 僕がこの言葉を言う事に払った苦労。 あなたに言うわけにはいかない。 理由は2つ。あなたが度を越えて鼻を高くしないため。…

故郷

私の足が親しく触れた土地。私の耳はこの土地の言葉を飽くことなく求めていた。私の両親が歯を食いしばって生きる土地。私が確かに育った土地。私が友に出会った土地。私が確かに生きる土地。

京都があって

住んでみるには小さな街。だけど、そこには1000年を超える目には映りにくい脈がある。新しい者を拒むかのような試練がある。試練を超えたものを、暖かく迎えるものがある。凛と佇む街並に、日々を支える人々の誇りがある。街は小さくても、奥行きはとても深…